今日は"アフィリエイトを始めて少しだけ売り上げが伸びてきたぞ"という方に知っておいて欲しい消費税のお話をざっくりとしたいと思います。
※個人のアフィリエイター向けに書きますので、他の業種の場合は誤解しないためにも読まない方が良いかもしれません。
詳しく話してしまうと拒否反応を起こす方もいると思うので、初歩の初歩レベルでお話をしたいと思います。
決して"詳しく説明する知識がないから"とかではないですよ!!!!(多分)
※税金に詳しい知識のある方は今ここで戻るボタンを押してください。
税金の知識が全くない方に向けて"損をしないために税金に興味を持ってもらいたい"という思いでお話をしますので、少しでも勉強した方には物足りない内容だと思います。
これからもっと売上を伸ばしていきたい、と思っているなら是非、御一読ください。
消費税のポイント
まずは以下の4つのポイントをおさえて下さい。
消費税は誰がいつ納めるのか
- 負担するのは消費者
- まとめて国・地方に払うのは事業者
- 計算期間は1/1~12/31
- 納めるのは翌年3/15まで
消費税は消費者が負担したものを事業を行う人(法人・個人事業主)が納めます。買ってくれた人から消費税を預かって、その預かった消費税を事業者が国・地方に納めるのが消費税です。
利益云々で支払う税金ではないので赤字で手元にお金はないけど消費税は払わなきゃいけない!!なんて事もあり得るのです。消費税を払えるだけのお金をきちんと残しておいて下さいね。
基本的には1年で区切って、1年間の消費税の金額を計算して納めることになります。個人事業主の場合、1月1日~12月31日の1年間で計算をして、翌年の3月15日までに納めます。
原則的には事業を行っている全ての人に消費税を納める義務があるのですが、その義務が免除される場合があります。
消費税を納める義務のある事業者を課税事業者、免除されている事業者を免税事業者と呼びます。
免税事業者
- 売上が少ないうちは消費税免除
- 判断基準は課税売上高1,000万円
- 1,000万円超えたら2年後に納税義務
事務処理が大変だろう、 ということで売り上げが少ない間は消費税を納める義務が免除してもらえます。
免税事業者かどうかの判断基準は「課税売上高が1,000万円以下かどうか」です。
"課税売上高"="消費税がかかっている売上の税抜きの金額"です。消費税のかかっている売上が108万円の場合、課税売上高は100万円ということになります。
なぜわざわざ専門用語を使ったかと言うと、アフィリエイトの場合Googleアドセンスの売上には消費税がかかっていないからです。
Googleアドセンス以外の売上(ASPの報酬やAmazonアフィ、楽天アフィの報酬)が1,000万円を超えたら"お!そろそろ消費税がかかるな!!"と思って下さい。
1,000万円を超えたらスグ納める義務が発生するわけではなく、超えた翌々年に義務が発生するので"そろそろ"なのです。
2017年にアフィリエイトを開始して、2017年の売上(アドセンス除く)は税抜500万円、2018年の売上(アドセンを除く)が税抜1,100万円の場合
→2017年、2018年、2019年は免税事業者、2020年(2018年から2年後)は課税事業者となります。
※2019年に売上が1,000万円以下に落ちれば、2021年は再び免税事業者となります。
消費税の計算方法
基本的な消費税の計算方法(本則課税といいます)は、"預かった消費税-支払った消費税=納める消費税"です。イメージできるでしょうか?
単純に1個の物の売買で考えてみましょう。
あなたはAさんから108円(税込)で商品を仕入れて、Bさんに216円(税込)で売ったと仮定します。
あなたが仕入れる際に支払った消費税は8円、売った際に預かった消費税は16円ですよね。
すると16円(預かった消費税)−8円(支払った消費税)=8円(納める消費税)となります。
今、何か気づきましたか??
そう、"物を買って、売る"という商売ならこの差額は小さくなるのですが、アフィリエイトは…??
究極的に言えば、無料サイトで無料テーマでデザインして、自分で記事を書いて、、消費税をほとんど支払うことなく、売り上げをあげることも可能ですよね。
売り上げる度に預かる消費税は膨らむ一方…これ全額納めるの…??そんなアフィリエイターのためにオススメの"消費税簡易課税制度"という制度があります。
消費税簡易課税制度とは
仕入れや経費が全然ない!支払ってる消費税が全然ない!そんな事業者さんが消費税を節約できる消費税の計算方法です。(正確には節約するための制度ではないです。)
簡易課税制度は"売上を元に、決められた割合で消費税を控除できる"という制度です。
基本的な計算式としては"預かった消費税-(預かった消費税×みなし仕入率)=納める消費税"です。
売上の内容によって、控除できる割合(みなし仕入率)が変わります。(アフィリエイトはサービス業なので第5種に該当し、みなし仕入率は50%となります)
簡易課税制度を使うための条件
- 2年前の課税売上高が5,000万円以下
- 簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出
売上がどんどん伸びて5,000万円を超えてしまうと簡易課税制度は使えなくなり、どちらがおトクかに関わらず原則的な計算方法で消費税額を計算することになります。
今はイメージだけ掴んでいただければ良いので、詳しい説明はココでは割愛し、1つ例を紹介します。
簡易課税制度を使う注意点
消費税を大きく節約できる可能性のある簡易課税制度ですが、もちろん注意点・デメリットもあります。
- 届出書の提出を忘れがち
- 1度選択したら最低2年間はやめられない
- 必ずしも簡易課税が得とは限らない
簡易課税制度を使うには事前に届出書を出している必要があります。簡易の方が得だ!と気付いて今から気軽に変更~ということはできません。
そんなに気軽に変えられてしまうと国の税金の収入が減ってしまいますからね。
届出書を提出して簡易課税を選択すると、2年間は継続して簡易課税を使わなくてはいけなくなります。万が一簡易を適用した翌年に"来年は本則課税の方がトクになりそう"となっても変えることはできません。
とはいえ、簡易を適用する旨の届出を出していても、"2年前の課税売上高が5,000万円"という年が来たら無条件で本則課税になります。この場合には届出書を出してから2年間がどう、とかは関係ありません。
これ以上はややこしくなるので、今日はこの辺でやめておきます。
何はともあれ、アフィリエイターは簡易課税がお得になる可能性が高いですが、簡易課税制度を使うかどうかは税理士ともきちんと相談されることをオススメします。
判断を間違えたり、難しい消費税の経理処理に時間をかけるくらいなら最初から税理士にお願いをしておいた方が"お金"も"時間"もおトクになりますよ。
アドセンスの売上がある人必見!!
Googleアドセンスは"非課税売上"です。
消費税を納めなくてはならない程稼いでしまった場合、きちんと税理士に依頼する事をオススメします。
が!!!
が!!!
意味は分からなくてもいいので、『Googleアドセンスは非課税売上です』と税理士の先生にお伝えください。呪文だと思っていて良いので、とにかく伝えて下さい。
コレを伝えないと売上が伸びれば伸びる程、あなたがを損します。
物やサービスを売買する際、消費税がかかっているものと、かかっていないものとがあります。ほとんどの取り引きに消費税がかかっているのですが、Googleアドセンスには消費税がかかっていません。
おそらく、依頼する税理士の先生はアドセンスの売上に消費税がかかっていない、という事を知りません。
ソースは地方の大手税理士事務所で働く私です。
1000を超える企業の税金の計算を行っている事務所ですが、アフィリエイトで稼いでいる方というのは聞いたことがありません。扱っていなければ間違いなく知りません。
税務調査に入られても損をしているのは国ではなく納税者なので納めすぎた税金が返ってくることはありません。
誤った処理をされて税金を納めすぎる事のないよう、先に伝えておきましょう。
アドセンスは非課税売上です。
最後に
消費税の勉強をしていくと"特定期間の課税売上高が1000万を超えると~"というワードを目にすることがあると思いますが、"まず関係ない"と思って読み飛ばして下さい。
免税事業者じゃなくなる可能性がでてくるかも!というお話なのですが、誰にもお給料を払っていない場合はまず全くもって関係ないです。(払っていても99%関係ない)
説明不足(要するに説明間違い)のサイトも見かけるのですが、半期で売上1000万円超えて、尚且つ給与の支払いも1000万円以上ある方以外は引き続き免税事業者でOKです。
半期で売上1,000万!給与の支払いも1,000万!という場合には注意してください。
少しでも税金に興味を持っていただけたらはてブ等つけてもらえると嬉しいです。というか皆興味あるんだな、と、また税金の記事書こうと思えます。(書くの大変なので需要がなさそうだったらやめようと思ってます)
分からない事、もう少し詳しく知りたい内容があればコメントをお願いします。
ではまた。
*1:始めた日の翌年12月31日まで